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Q&A

【狂犬病とはどんな病気ですか?】

2018.07.02

狂犬病とは

狂犬病はワンちゃんを飼っていない方でも知っている有名な病気だと思います。

すべての哺乳類に感染し、
もちろん人への感染も起こりうる「人畜共通感染症」のひとつです。

主に狂犬病に感染した動物に咬まれたりして、
唾液中に大量に含まれるウイルスが傷口から体内に侵入することにより感染し発症します。

ウイルスは咬傷部位から抹消の神経や中枢神経、すなわち脳・脊髄へと広がり、抹消神経障害や脳炎、脊髄炎などの中枢神経障害を引き起こします。
また、感染し発症すると効果的な治療法はなく、「致死率がほぼ100%」という非常に怖い病気です。
※人から人への感染はありません。

狂犬病に感染した犬の症状として
狂躁期(型)と麻痺期(型)と分けられます。
狂躁期(型)では、吠えたり攻撃したり噛みついたりと、極度に興奮し攻撃的な行動をし、まさしく狂犬の症状を呈します。
麻痺期(型)は、急激に進行する麻痺症状がみられ、食物や水が飲み込めなくなり、数日で昏睡状態に至り100%死亡します。

実は狂犬病は、日本国内においては数十年も(1957年以降)発生していません。

日本は世界でも数少ない、狂犬病発生清浄国(発生のない国)です。
しかし、日本の周辺国を含む世界のほとんどの地域で、狂犬病は依然として発生しています。

「海外に行ったときはむやみに動物にさわらない!」というのはこういった事情からでもあります。

世界の狂犬病の発生状況

また、2013年に、これまで狂犬病清浄国とされてきた台湾で、52年ぶりに狂犬病の発生が確認されました。
日本も常にウイルス侵入の脅威にさらされていることから、万が一に備えなくてはなりません。

狂犬病が蔓延することがないように、国は「狂犬病予防法」という法律で、狂犬病予防注射の接種を義務付けています。
そこで、飼い主の皆様に知って・守っていただきたいことが3つあります。

➀居住している市町村地区に飼い犬の登録をすること(登録の義務)。

愛犬手帳

「犬の所有者は、犬を取得した日(生後90日以上の犬を取得した場合にあっては、生後90日を経過した日から)から30日以内に厚生労働省の定めるところにより、その犬の所在地を管轄する市区町村長に犬の登録を申請しなければならない」
狂犬病予防法第4条より

犬の登録は、生涯に1度おこないます。
登録をした初年度に鑑札の交付をします。
これらの手続きの窓口は、市区町村によって違います。
また、当院では市区町村により代行で手続きをおこなっておりますので、詳しくはスタッフにお問い合わせください。

②年1回、飼い犬に狂犬病予防注射を受けさせること。

市区町村に犬の登録をおこなうと、毎年、市区町村からお知らせのハガキが届くようになります。
4月1日から6月30日の間に受けましょう。この期間は「狂犬病予防月間」です。

市区町村で集合注射をおこなったり、病院でも接種の呼びかけを積極的にしています。
ワクチンの効力の面からは、1年に1回接種すればどの時期に接種しても構わないのですが、
この時期を過ぎ、夏~秋ごろまでに接種がないと市区町村から「今年度の接種が済んでいませんよ」というお知らせのハガキが来てしまいます。
接種が済んだワンちゃんにはその年の注射済票を交付します。

また狂犬病予防注射は「狂犬病予防法施行規則」により年度の区切りが3月2日からになります。
3月2日以降は新年度となるため、3月2日以降に接種をおこなった犬については、
その年に改めて接種する必要はありません。
逆に、3月2日直前に接種すると接種は前年度扱いということになります。

例えば平成30年3月1日に接種をおこなうと【平成29年度】分の扱いとなり、
同じ平成30年4月1日から6月30日までの間に【平成30年度】分を受ける義務が生じます。しかし、6月30日までに接種しようとすると注射の接種間隔が短くなってしまうため、最低でも半年ほど間隔を空けてから接種をおこなってください。
(また、当院では手続きの関係上、2月22日~3月31日までの期間、狂犬病の予防注射の接種はおこなっておりません)

③飼い犬に、鑑札と注射済票を装着すること。

鑑札や注射済票を装着しておくことで、万が一飼い犬が迷子になり保護された場合、
装着している鑑札や注射済票の番号から、飼い主さんのもとへ戻ることができます。

日本でも、狂犬病予防法制定前には狂犬病に感染して亡くなる人や犬がいました。

現在私たちが安心してワンちゃんたちと暮らすことができるのは、法律を守る飼い主様のご理解・ご協力あってのものです。

みなさんの、ワンちゃんは狂犬病の注射は済んでいますか?鑑札や済票はつけていますか?
今一度ご確認をお願いします。