よくあるご質問

Q&A

犬と猫の食事管理をしたいのですが、食事は何をどのくらいあげたらいいですか?

2018.03.29

食事を取ろうとする犬

今回は犬や猫の食事管理についてまとめました!

お食事を選ぶときのポイントは
それぞれのライフステージに適した食事を選ぶことです!

食事をどのくらい与えたら良いかは体重や1日に必要なエネルギー要求量、

フードの種類によって違ってきますが、簡単な計算方法があります。お気軽にご相談くださいね。

 

①まずはじめに、フードのパッケージを見てみましょう。

「総合栄養食」という表示はありますか?

「総合栄養食」とは、水とその食事だけで健康が維持できることを目的として作られており、毎日の主食に適したペットフードといえます。

その他にも「一般食」「副食」「栄養補完食」「おやつ」などと表示がされているものがありますが、これらは、嗜好増進等の目的で与えるペットフードであり、これだけでは犬・猫の栄養バランスを満たしておらず、主食には適していません。あくまで補助的に与えるものになります。

一度、フードのパッケージを確認していただき、それぞれのライフステージに合わせた「総合栄養食」を選んであげてください。

②次に、今の体型や体重はどうでしょうか?

痩せすぎたり、太ってはいませんか?

適正体重は、同じ犬種や猫種でも骨格や筋肉量に違いがあり、見た目では判断できません。実際にさわって確かめることが個体に応じた適正体重の評価には重要です。

院内に模型がありますので、実際にさわって、自分のわんちゃん・ねこちゃんと比べてみてください。 

ペットの適正体重スケール

*一般的には5段階評価で、3が適正、数字が小さくなると体重不足、大きくなると過重というスケール。

このスケールはBCS(ボディコンディションスコア)といい、食事の量を決めるにあたり、とても重要になっていきます。

もし適正体重ではない場合は、BCSを評価し、現在の体重に係数を<かける>もしくは係数で<わる>ことで適正体重を求めることができます。

BCS1= 理想体重=体重×1.2

BCS2= 理想体重=体重×1.1

BCS4= 理想体重=体重÷1.15

BCS5= 理想体重=体重÷1.3

 

③次は1日に必要なエネルギー要求量(カロリー)を求めていきます。

1日に必要なエネルギー要求量は個体差があり、さらに年齢、環境、性別、活動レベルによっても違いがあります。このため、個体に適した条件を考慮したうえで決定した係数を掛けて算出したものが、1日あたりのエネルギー要求量となります。

係数

<犬>

幼犬      ×2.0

成犬(~6歳) ×1.6

高齢犬(7歳~)×1.4

減量      ×1.0

 

<猫>

幼猫      ×2.0

成猫(~6歳) ×1.2

高齢猫(7歳~)×1.1

減量      ×0.8

 

1日あたりのエネルギー要求量=30×体重㎏+70=○○kcal←このカロリーに係数をかけ

○○kcal×係数=△△kcal←これが1日あたりのエネルギー要求量となります

 

④最後にフードのパッケージに記載されている代謝エネルギー(フード100gあたりにどのくらいカロリーが含まれているか)を確認します。

だいたいフードのパッケージの裏面に(○○kcal/100g)という記載があると思います。

 

⑤②~④で求めた数字を使い、食事の量の計算をしていきます。

計算式はこうなります。

1日あたりの給与量(g)=

1日あたりのエネルギー要求量÷フードの代謝エネルギー(kcal/100g)×100

 

○実際に1日あたりのエネルギー要求量と1日あたりのフード量を計算してみましょう!
健康な犬

【例1】 ・体重3.0㎏(BCS 3 理想的)

・雄(去勢済)

・成犬(3歳)

・フード 満腹感サポート 269kcal/100g

①今の体重が理想的なので、このままの体重を使う。

体重=3.0㎏

②理想体重をもとに、1日あたりのエネルギー要求量を求める。

(30×体重3.0㎏)+70=160kcal

③係数をかけて、160kcal×1.6=256kcal

1日あたりのエネルギー要求量=256kcal

④ペットフードそれぞれの100gあたりの代謝エネルギーを使い、1日あたりのフード量を求める。

256kcal÷269kcal×100=95.16、、、

95g/日

 

1日あたりのエネルギー要求量 256kcal

1日あたりのフード量     95g

 

【例2】 ・体重6㎏(BCS 5 肥満)

・雄(去勢済)

・成犬(3歳)

・フード 満腹感サポート 269kcal/100g

・ダイエットさせたい!

 

①BCSを評価し、理想の体重を求める

現在の体重6.0㎏÷1.3=4.6、、、

理想体重=4.6㎏

②理想体重をもとに、1日あたりのエネルギー要求量を求める。

(30×理想体重4.6㎏)+70=208kcal

③係数をかけて、208kcal×1.0=208kcal

1日あたりのエネルギー要求量=208kcal

④ペットフードそれぞれの100gあたりの代謝エネルギーを使い、1日あたりのフード量を求める。

208kcal÷269kcal×100=77.32、、、

77g/日

 

DER(1日あたりのエネルギー要求量) 208kcal

1日あたりのフード量          77g

 

最後に…

療法食とは特定の病気などに栄養的に対処するために栄養バランスが考慮され、専門的なアドバイスや指示にしたがって与えることを意図したペットフードのことです。多くの製品は総合栄養食と同等のバランスを満たしていますが、病気を管理するための特殊な組成をもつ食事のため、獣医師の指示にしたがって、動物病院から購入しましょう。自己判断での切り替えや購入、またはネット通販からの購入はおすすめしません。

ダイエット用の食事や皮膚の健康、心臓や腎臓、関節に配慮した療法食が各メーカーから発売されています。

今の体型や健康、また食事の量や種類が気になる場合は獣医師にご相談ください!

 

子猫を拾ったらどうすればいいですか?

2018.03.27

まずは子猫の保温

拾ってきた子猫の対処法

子猫を拾ってきたとき
まずやるべきことは保温です。

生まれたばかりの子猫は体温調節をすることが出来ません。
寒くない時期でも弱っているようであれば温めてあげましょう!

子猫の保温方法

①段ボールなどにタオルを敷き、子猫を入れる。

②湯たんぽ、使い捨てカイロ、保温ヒーターなどで子猫を保温する。
!!注意!!

低温やけどに注意して、ヒーター類と子猫の体が直接触れないように気を付けましょう。

(湯たんぽ、カイロはタオルを巻くとよいです)

一度、動物病院にいきましょう

 

もし先住猫がいる場合…

拾った子猫と先住猫は最初は一緒にしてはいけません。
伝染性の病気を持っている可能性があるので、獣医師がまず診断をします。
原則ワクチンプログラムが終了するまで接触させないことが大切です。

先住猫がストレスを持つ場合があるので、慣らすのもあせらず徐々に行いましょう。

健康状態を把握する為と、生後何日か確認するために一度来院していただくことをお勧めしています。

週齢により、ミルクか離乳食か固形フードか与えるフードが変わってきます。
ミルクを与えることに慣れていないと誤嚥してしまう(気道にミルクが入ってしまう)
可能性もあるので、ミルクの与え方含め説明させていただきます。

日々の成長を記録することもお勧めしています。
体重、食事(種類、1回量、時間、回数)便の状態を記録しましょう。
体重が増えない、下痢など体調に変化があればすぐに来院してください。

体調が落ち着いて、環境にも慣れてきたらそろそろワクチンの時期です。
ワクチン接種は、母子免疫が消失してから、できるだけ早い時期(感染前)に行うことが理想的です。
しかし、あまり早すぎると、抗体を産生する能力が備わっていない可能性があり、
この場合は接種しても効果はありません。

当院でのワクチンスケジュールを紹介します。

動物病院で診察を受ける子猫

☆初年度生後45日以上~2か月齢…3種混合ワクチン

↓1か月後

3種混合ワクチンor4種混合ワクチン追加接種

4種混合ワクチンを打つ場合はその前にウイルス検査(猫白血病ウイルス感染症、猫免疫不全

ウイルス感染症)を行います。

☆8か月以上の子は3種or5種を接種、その後1年後に追加接種

☆初年度以降は毎年1回の接種

・3種混合ワクチン
…猫伝染性鼻気管炎、猫カリシウイルス感染症、猫パルボウイルス性腸炎

・4種混合ワクチン
…猫伝染性鼻気管炎、猫カリシウイルス感染症、猫パルボウイルス性腸炎、猫白血病ウイルス感染症

猫を飼うのが初めてですと、色々心配なことがあるかと思います。
些細なことでもかまいませんので、お気軽に相談してください。

足を最近よく舐めるのですが大丈夫でしょうか?

2018.03.19

いつも手足を舐めるクセがあり、
たまに舐めすぎて炎症を起こす子がいます。

足を舐めてしまう柴犬
犬が手足を舐める行動は正常な行動(グルーミング行動)の場合もありますが、
舐めすぎて皮膚炎を起こす場合は治療が必要となります。

手足を舐めて皮膚炎を起こす原因として、
大きく分けて3つの可能性があります。

1. 身体的な問題:皮膚の異常
2. 身体的な問題:皮膚以外の異常
3. 行動学的・精神的な問題

①皮膚の異常

細菌、マラセチア、アレルギーなどによるかゆみや、異物、化学物質などによる
物理的な刺激で起きている可能性があります。

②皮膚以外の異常

関節の痛みやてんかんの部分発作による行動、
その他胃腸障害でも起こると言われています。

③行動学・精神的な問題

正常な維持行動(グルーミング)である場合や、
不安・恐怖、欲求不満などの一時的なストレスや興奮による一時的な行動でも起こります。

これが何度も繰り返された場合、頻度や持続時間が長くなります。
さらに慢性的・長期間にこの状態が続くと、犬自身で行動制御が不可能となり、
ここまでくると不安やストレスなど状況には関係なく発生することになります。

この場合は行動治療(飲み薬など)が必要となるかもしれません。

そして関心を求める行動として足裏を舐めることがあります。
犬が四肢を舐めることを飼い主が気にかけて、
声をかけていたり撫でたり抱っこしたりしてやめさせるなど、
舐める行動に対して犬を構う場合
犬はその行動をすれば飼い主の気が引けると認識します。

 

ぐったりする柴犬

 

◯治療は?

まずはどのような状況やきっかけで舐める行動が起きているか考え、
その状況やきっかけが起こらないように気をつけてください。

舐める行動を癖にしないために、
舐めている時間が短い場合や皮膚炎を起こすほどでない場合は
舐めても無視して放っておくことも大切です。

同じ部屋にいるときに舐めるのであれば、
部屋から黙って出ることも効果的かもしれません。

また舐める行動に対して犬を叩いたり声で叱ったり、
身体を押さえて舐めないようにするなどの罰は絶対にしてはいけません。

それによる不安や恐怖はさらに舐める行動を悪化させる因子になります。

◯かゆみ?クセになっている?

最初はアトピー性皮膚炎で足を舐めていて、
治療を行っても足を舐め続けるということがあります。

これは最初はかゆみで舐めていましたが、
舐めたら飼い主さんが構ってくれることを学習してしまい
関心を求めるために行っている可能性もあります。

どちらにしても、足に皮膚炎が起きているようであれば診察にくることをお勧めします。

◯家で注意することは?

1. いつから舐める行動が始まったか?始まった時期に何か環境に変化があったか
2. 日常生活のいつ、どこで、誰がいる時、誰がいない時に舐めるか
3. どのくらいの頻度か
4. 舐める行動はどのくらい時間が続くのか
5. 舐めるきっかけや状況はどんな時か
6. 舐めると周りの人はどんな反応を示すか
7. 犬はその反応に対してどんな反応を示すか
8. 犬の日常生活での行動は舐める行動により影響されるか

来院前にこのあたりに注意して観察し、治療の必要性や方向性を判断します。

足を舐める行動は犬によく見られる行動ですが、
飼い主さんの判断で自分なりに対応しているとひどくなることがあります。

くれぐれも叱ったりかまいすぎたりしないよう、
困ったら病院に連れてくることをお勧めします。

お尻を地面にこすっているのですが病気ですか?

2018.03.14

『お尻を地面にこすっているのですが病気ですか?』

という質問をいただきました。

お尻を地面にこすったり、
お尻を気にして舐めたり、
噛んだりする仕草を時折見かけることがあります。

お尻を向ける柴犬

様々な原因でこのような仕草が認められますが、

代表的なものとして肛門嚢液(のうえき)が溜まることや、
肛門周囲の皮膚炎(かゆみ)などがあります。

今回は肛門嚢液が溜まってしまう場合に関してお話します。

「肛門腺(絞り)」という言葉は聞いたことはありませんか?

肛門腺とは肛門の左右(肛門を時計の中心と見立てた時に4時と8時の位置)に存在する
臭腺(しゅうせん)です。

肛門腺は袋状の構造をしており、この袋を肛門嚢(のう)と呼びます。

肛門嚢の中では分泌液(肛門嚢液)が少しずつ作られて、溜まっています。

犬の肛門の解剖図

多くの犬猫では排便時に一緒に肛門嚢液が少量ずつ排出されますが、
中にはうまく排泄できない子がいます。

そのような子たちは肛門嚢液がうまく排泄されない違和感から
お尻を

・地面にこすりつける

・舐める

・噛む
といったお尻周りを気にする仕草をすることがあります。
このようなサインを見逃さないようにしてください。

この状態が続くと最悪の場合、
それ以上溜めきれなくなった肛門嚢が破裂してしまうことがあります(肛門嚢破裂)。

すると皮膚の下で肛門嚢液が漏れ出て大きな炎症を起こし、
皮膚が破れその奥から血膿(けつのう)がでてくるという
想像するだけでも恐ろしい光景になります。

多くの場合は飲み薬や塗り薬で対処できますが、
中には手術が必要なケースもあります。

肛門嚢破裂といった最悪の事態を避けるために

「お尻を地面にこすりつける、なめる、噛む」

このような仕草が認められた場合は早めに肛門嚢を絞る(肛門腺絞り)
または動物病院を受診してください。

なお、肛門腺絞りはほとんど力がいらない処置です。
インターネットなどで肛門嚢液の絞り方などを紹介しているサイトも多く存在しますが、
無理に絞るとかえって炎症を起こしてしますケースもありますので、
ご自身で処置される方はくれぐれも注意してください。

 

犬と猫の避妊・去勢手術は必要?

2018.02.27

妊娠を望まない場合は、病気の予防や望まない妊娠を避けるために、避妊・去勢手術をおすすめします。

避妊・去勢のメリット・デメリット

◆メリット

1)性ホルモンに関連する病気を予防できる
雄の場合、精巣腫瘍や前立腺肥大など、雌の場合、乳腺腫瘍や子宮蓄膿症などの病気の予防ができます。特に乳腺腫瘍に関しては、犬は初めての発情の前に手術をすれば99.5%猫は6か月齢までに手術をすれば91%の予防効果が期待できるといわれています。

 

2)発情期によるストレスの軽減や性ホルモンに関連する問題行動を抑えることができる。
雄の場合、雌を求めて徘徊したり、他の犬への攻撃性が増すなどの行動が抑えられたり、雄猫の雌の場合、発情による陰部からの出血がなくなり、発情期が近づくと気分が不安定になったりするなどのストレス軽減にもつながります。

 

3)望まれない妊娠を防ぐ

子どもをつくらないと決めたのであれば、望まない妊娠を防ぐためにも避妊・去勢手術をおこないましょう。

◆デメリット

1)麻酔のリスクがある

早期の若齢期による全身麻酔は、肝臓の代謝能力や腎臓の排泄機能が未熟であるため。また、肥満体型の子や短頭種は他の健康な子と比べると麻酔のリスクが高まります。麻酔に対してアレルギーを持っている場合もデメリットとなります。
 
2)不完全な結紮(けっさつ)による出血をする、術創が治りにくい(自己損傷)ことがあります
 
3)縫合糸の感染およびアレルギー反応
お腹のなかで糸が反応し、傷口が腫れたりすることがあります。

4)エストロジェン反応性尿失禁
避妊手術後の大型犬にみられることがあり、尿漏れを引き起こすことがあります。女性ホルモン(エストロジェン)は尿道の括約筋に関係しているため、エストロジェンが少なくなると、おしっこを我慢できなくなるためです。

5)肥満や尿路結石になりやすい→食事管理をしていきましょう!!
避妊・去勢後は必要とするエネルギーが減る一方、性的ストレスがなくなり消費カロリーが減るため、肥満になりやすくなります。また、肥満によって尿路結石になるリスクが高まります
 
6)子どもができなくなる
精巣、卵巣、子宮をとるので、子どもがつくれなくなります。

当院の避妊・去勢手術

【 犬の場合 】

避妊:生後7~8か月以上 発情が1回済んでから
発情中や発情後すぐの手術は子宮や卵巣、血管が発達しており、出血のリスクが高まるため手術をすることができません。そのため発情後、2か月間は間をあけましょう。

去勢:生後7~8か月以上

※生後7か月頃に乳歯から永久歯に生え変わるため、乳歯遺残(乳歯が抜けず、残ること)がある場合は一緒に乳歯抜歯をおこなうことがあります。

【 猫の場合 】

避妊去勢:生後8か月以上、体重が3㎏以上
体格が小さい子は3㎏未満で手術することもあります。猫は発情中でも手術ができます。

当院の避妊・去勢手術の流れ

ご紹介する流れは一例となります。

1)ワクチンやノミ・ダニの予防は済んでいるか確認しましょう。
病院には他の犬や猫も入院・通院するため、病気をもらわない、うつさないためにも予防を済ませましょう。

2)病院にご来院頂き、手術についてのご説明をさせていただきます。
手術の内容にご納得いただいてから日程を決めていきます(手術は予約制です)

3)手術の前に術前検査をおこないます。
手術は麻酔をかけるため、麻酔をかけても大丈夫か、また他の病気の早期発見・治療のために血液検査・心電図・(場合に応じて詳しい検査)をしていきます。手術予定日より前の2週間以内に必ずおこないます!

4)手術の当日は午前の診察時間の11時までにお預かりとなります。
当日は絶食絶水(ごはん・お水は与えない)の状態で連れてきてください

5)入院前に同意書の記入、緊急連絡先の確認、お迎え時間の確認をします。

6)お昼に手術をおこないます。
避妊手術の場合1泊入院となります。
去勢手術は日帰り入院(当日の午後の診察時間にお迎え)です。

7)退院後はお薬が出ます。
3~5日間ほど抗生物質と痛み止めを飲ませてください。

8)傷のチェックでご通院いただきます。
猫の避妊、犬の避妊去勢後は手術後3~5日後に傷口のチェックに診察にご来院ください。

9)抜糸をして、傷口がきれいになったら通院終了です!
個体差はありますが10日~14日ほど抜糸をおこないます。
猫の去勢手術は糸を使わないので抜糸の必要はありません。

※ノラ猫などに対して、抜糸が必要ない「皮内縫合」もあります。

 

避妊・去勢手術のよくある質問

Q.なぜ当院は犬の避妊は1回目の発情が過ぎてから手術をするの?
A.発情が起こる前は体や内臓、生殖器の機能が未熟なためです。

Q.手術前になぜ、食事を与えてはいけないの?
A.全身麻酔をかけると、意識はもちろんのこと、全身の力も抜け、胃や腸にも麻酔がかかります。麻酔をかける前、かけた後は吐き気をもよおすことがあり、さらに麻酔の前後は嚥下機能(飲み込むちから)が低下しており、このときに胃の中に食べ物が残っていると、麻酔の前後や手術中に吐き気をもよおしたとしても、うまく吐き出せずに吐物が気管に入り、誤嚥性肺炎をおこす可能性があるためです

Q.傷口はどれくらいの大きさ?痛くない?
A.
手術後すぐは痛がっておとなしくなる子もいますが、普段通り元気に過ごす子がほとんどです。また、痛みにより力むことができず、排便しない子もいますが、これは一時的で2~3日で落ち着きます。手術後、縫合糸との反応により、傷口が腫れることがあります

だいたいのイメージとして傷口の場所をイラストで表してみました。

 

Q.傷口はどうするの?
A.傷口はなめたり、掻いたりしないようエリザベスカラー(ヒポカラー)や腹帯を装着して、傷口を保護します。去勢をした雄猫には基本的になにもつけずに過ごしてもらいますが、傷口を気にするようであれば、エリザベスカラーをお貸ししています。

Q.手術後の過ごし方は?お散歩は行ってもいい?
A.いつも通りの過ごし方で、お散歩も行っても大丈夫です。ただし、手術後すぐの激しい運動や草むらに入ったり、泥んこになって傷口が汚れるくらい遊ぶのは控えましょう。念のため、元気や食欲の変化にはよく注意して観察してくださいね。

Q.傷口が汚れたら?
A.傷口が汚れたら、シャンプーはせずに水で洗い流すor水で浸したコットンで綺麗にしてあげてください。ただし、体全体のシャンプーは抜糸が済むまで控えましょう。

Q.退院後、食事はいつも通りに与えていいの?
去勢手術の場合は日帰りのため、麻酔をかけてから時間がたっていないので、食事はお休みします。翌日から様子を見ながら与えてもらい、食べるのであればいつも通りに与えてください。

避妊・去勢後は太りやすくなるので食事管理に注意しましょう!
避妊・去勢後用のカロリーを抑えた食事がありますので、退院の際にお話ししますね。

その他、気になる点があればお気軽に聞いてくださいね!

犬や猫も歯みがきは必要?その理由と歯みがきグッズ紹介

2018.02.19

Q、犬や猫も歯磨きが必要ですか?

犬も猫も歯磨きを行いましょう。なぜなら、歯磨きをしていない3歳以上の犬猫の約8割に歯周病がみられるからです。通常、健康な状態では口腔内には細菌が存在し、噛み方や唾液などにより細菌の洗浄・細菌を増やさないよう防御機構が働いているため歯周病にならないように維持されています。

しかし、歯が密に生えている、口の中に残りやすいウェットタイプの食事をしていると汚れが落ちにくく、細菌が増殖していきネバネバした歯垢ができていきます。この歯垢をそのままにしておくと、硬くなり(石灰化)歯石となり歯周病の原因になります。

 

歯周病は歯肉炎と歯周炎の2段階

歯周病とは歯肉炎と歯周炎の2段階があります。

歯肉炎

歯肉炎

歯垢が歯と歯肉の溝に入り込み、歯肉が赤くなってきます(炎症)

 

歯周炎

 

 

 

 

 

 

歯肉炎が進むと歯肉以外の歯周組織にも炎症が及びます。そのままにしておくとさらに歯周の溝(歯周ポケット)が深くなり、歯のぐらつきが大きくなり抜け落ちたり、細菌が歯の根っこまで侵入し膿がたまるなどがおきます。

 

歯周病が悪化すると...

・根尖膿瘍(こんせんのうよう)

歯の根っこの先とその周囲まで細菌が入り感染してしまい、膿がたまってきてしまう疾患です。下顎の骨が溶けて骨折することがあります。

・口鼻瘻管(こうびろうかん)

上顎の犬歯の根っこ周辺で炎症がおき、ひどくなってくると歯と鼻腔の間の骨が溶けて口と鼻がつながってしまう疾患です。

 

・眼窩膿瘍(がんかのうよう)

上顎臼歯が歯周病になったり、かけてしまったりすると、歯の根っこに細菌が入り感染して目の下に膿がたまってきて腫れや皮膚が破れ、膿や血液が排出される疾患です。

このように口の細菌は全身にも影響を与え、動物の命にも関わってきます。

歯の表面に付着した歯石は簡単に取ることは難しいです。また、歯周ポケットに溜まった歯石を取るためには、麻酔で眠らせて歯石をとっていかなければいけません。ですから、歯石になる前の歯垢を日々のデンタルケアで取っていくことが大事です。自分で細菌から口の環境を守れるように歯磨きで手助けしてあげましょう。

歯磨きに不安がある方は当院にて歯磨きの仕方をレクチャーします!

 

歯磨きグッズのご紹介

歯ブラシ

歯についた歯垢を効果的に取り除くのに最も適した道具です。ブラシの部分が360°にブラシがあるもの(当院の看護師おすすめ)や大型犬にも使える歯ブラシなどがあります!その子に合った歯ブラシを探しましょう。

 

歯磨きペースト

口腔内にある細菌の増殖や酸を抑制し、歯垢をできにくくします。色々な味があるので苦手な子に歯磨きを慣らすアイテムとして使用するのもいいでしょう!

 

フード

フードを噛むことで歯垢を減らし、歯石の蓄積・着色を軽減します。研磨剤や薬効のある化学成分を使用することなく歯をきれいにします。

 

補助食品

 

 

ご飯にかけるタイプ

唾液の性質を改善し、口臭を抑制や歯石をつきにくくしたりします。

 

 

なめさせるタイプ

なめさせることで、成分が口に広がり口臭抑制や歯の健康維持に役立ちます。

 

 

 

 

歯磨きガム

噛んで歯垢を落とし、歯石沈着を押さえます。そして口臭を軽減します。他にも歯磨きペーパーやスプレータイプもありますので、気になる方はスタッフにお申し出ください。

うちの子のお口の中の状態は大丈夫かな?と思ったら、お気軽にご相談くださいね。

 

 

犬の耳そうじは必要?その理由とやり方

2018.02.16

Q.犬の耳掃除は必要ですか?

犬の耳そうじ

犬の耳掃除には2つの意味があります。

1)過去に外耳炎を起こしたことがあるなどの外耳炎になる素因がある犬に対して予防
2)外耳炎の耳の耳垢などの除去

です。外耳炎はアトピー性皮膚炎や脂漏症など様々な要因が複雑に絡み合って発生するため、慢性化や再発することが多いです。皮膚のバリア機能を損ねるため過剰な洗浄はダメですが、基本的に外耳炎を起こす可能性がある場合は耳掃除が必要になります。

耳掃除のやり方

(1) 洗浄液をたっぷりと耳道に入れて耳道全体を優しく30回程度マッサージします。

(2) 犬に頭を振らせて洗浄液を外に出させます。

(3) 耳垢がなくなるように何度か繰り返します。

 
耳掃除の注意点

・どこをマッサージしたらいいの?

犬の耳道は人間と違ってL字になっています。入口から縦に垂直耳道があり、曲がった先に水平耳道があります。マッサージの時は、表面からこのようなホース状の耳道が触れるのでこのホースをもみもみしてあげてください。

犬の耳の構造
耳の構造(Dermatology 45より引用)

 

 

・綿棒で耳掃除してもいい?

綿棒での耳掃除は絶対してはいけません。耳には耳垢を自動的に外に出そうとする機能があります。しかし綿棒を使うことでせっかく外まで出ようとしていた耳垢をまた奥に押し込んでしまいます。せっかく耳掃除をしたはずが、下図のように耳垢をまた耳の中にためてしまう原因になりますので綿棒は使わない方がいいでしょう。

犬の耳そうじ綿棒
耳道の模型(Dermatology 45より引用)

 
・耳掃除を嫌がって上手くできない時はどうしたらいいの?

本来は耳垢が出なくなるまで耳掃除を繰り返した方がいいですが、わんちゃんにも飼い主の方にもストレスにならないように気長に少しずつやりましょう。最初にも書いたように外耳炎は繰り返すことが多いので、一生耳掃除と付き合うことになるかもしれません。いきなり完璧な耳掃除はできません。少しずつでいいので継続的にケアできる程度にやりましょう。

耳掃除を初めてやる子犬や耳掃除が苦手なわんちゃんには耳道の入口に脱脂綿を入れて脱脂綿を介して洗浄液を入れたり、冬は洗浄液を使う量だけカップに移して人肌程度に温めてから使うといいかもしれません。

また嫌がる原因として痛みがある可能性があります。その場合は状況によって治療を変える必要があるので無理に耳掃除だけでケアするのは危険です。わんちゃんの様子がおかしいなと思ったら、一度診察に来ることをお勧めします。

 

外耳炎を放置するとどうなるの?

外耳炎が中耳に波及すると中耳炎となります。犬の中耳炎の80%は慢性外耳炎によって起こります。中耳炎になると顔面神経麻痺や首の傾き、眼の揺れなどが見られることがあります。治療が困難な中耳炎や、耳道が狭くなったり固くなっている場合、耳道内にポリープなどのできものがある場合は外科手術が必要となることもあります。そうならないために耳を見ることを習慣にしてください。家でスキンシップやブラッシングをしながら必ず耳を見るようにしてください。異常に早く気づくことが大切です。

 

眠る犬

飼い主さんに注意してほしいこと

外耳炎は再発や慢性化することが非常に多いため、一生付き合うことになるかもしれません。家でのケアがうまくいかない場合や耳垢や臭いが増えた場合、痒みや頭を振ることが増えた場合は外耳炎のサインかもしれません。もしいつもと違うことがあれば、一度診察に来ることをお勧めします。

愛犬が誤飲・誤食をしてしまった場合の正しい対応方法

2018.02.15

飼い犬が予期せぬもの(ゴミ、おもちゃ、ペットシーツ、乾燥剤、チョコレートなど)を食べてしまいました。どうすればいいですか?

という、質問をよくいただきます。

まずは、慌てずに下記を確認し、動物病院に連絡してください。

  • なにを食べたか?
  • どれくらい食べたか?
  • いつ食べたか?
  • 犬種や犬の大きさ(体重)はどのくらいか?

誤食したもの、量、時間帯、犬の大きさによって対応は様々です。
診断や処置の一助となりますので可能であれば誤食したものをお持ちください。

誤飲・誤食の場合は、自己判断せずに必ず動物病院に連絡してください。

不安そうな犬


病院における誤食した場合の対応

誤食に対する対応は「催吐処置(さいとしょち)」「内視鏡による摘出」「外科手術による摘出」、「活性炭などの毒素吸着剤の投与」など様々なものがあります。

それぞれの処置について、ご説明します。

催吐処置
文字どおり吐かせて誤食したものを出す処置です。誤食をして2〜3時間以内であれば吐かせて出すことで対応できるケースが多いです。しかしながら「症状が出ていないからまぁいいか」、「明日には便に出てくるだろう」 と楽観的に様子を見てしまうと消化管で詰まり、内視鏡による摘出や外科手術が必要となることがあります。また、誤食して3時間以上経過していたとしても、ものによってはまだ異物が胃内に残っていて対応できるケースもあります。とにかく大切なのは、気付いたらすぐに対応していただくことです。

内視鏡による摘出
吐かせる処置を行っても出てこない異物は、全身麻酔をかけ内視鏡による摘出が必要になることがあります。しかし、以下のような場合には内視鏡で取り出すことが難しく、外科手術による摘出が必要になることがあります。

  • 大きすぎる異物
  • 完全に詰まっている異物
  • 十二指腸よりも先にある異物

外科手術による摘出
吐かせる処置や内視鏡による摘出が難しい場合には全身麻酔をかけ外科手術による摘出となります。

胃内異物であれば胃切開で済みますが、小腸で詰まっていた場合には腸切開が必要となります。さらに重症化すると腸閉塞から腸の壊死を生じ腸切除吻合術(腸の一部を切り落としてつなげる手術)が必要となります。手術による入院期間は3〜7日程度のことが多く、術後フードをふやかしてあげる、回数を分けてあげるなど消化管に配慮した食事管理が一時的に必要となります。

活性炭など毒素吸着剤の投与、その他
中毒を起こすようなもの(例えば殺虫剤、殺鼠剤、チョコレートなど)を摂取した場合には吐かせる処置に加え、毒素の吸収を防ぐために、胃の洗浄処置や毒素の吸着剤の投与を行うことがあります。

 

飼い主さんが気をつけるべきポイント
誤食した際の代表的な処置についてお話させていただきましたが、飼い主様に気をつけていただきたいことは2つです。

  • 誤食を未然に防ぐように努めること
  • 万が一誤食に気づいた場合はできる限り早く動物病院で状況に応じた処置をしてもらうこと

誤食に対する処置は犬にとっても辛いものです。うちの子は大丈夫と過信せずに日頃から気をつけましょうね。

犬、誤食

また、最初にもお話しましたが、誤飲・誤食に気づいたときは自己判断をせずに、必ず動物病院に連絡するようにしてください。それが、愛犬を守ることになります。